
舷梯またはパイロットラダー準備、離着岸作業、ドラフトチェック、その他舷外に身体の一部が出る作業などその他に階段、梯子など
について注意する必要があると思います。
先ほど述べたように、船内には高さ二m以上の場所からの転落、墜落の可能性のある場所は無数にあり、各々について落下防止の設備のある箇所と無い箇所があります。
また船内の床面は居住区を除いてほとんどが鉄板であり、高所作業といわれる高さ二m以上の場所での作業の他、一m程度の高さからの転落でも場合によっては骨折、負傷などの災害の発生する可能性もあります。
また、船特有の動揺、振動も考慮しなければなりません。
振動による固定物の留め金のゆるみによる足場の落下、船体のローリング又はピッチングによる足場の不安定化、身体の不安定化などによる作業場所、階段などからの落下、転落なども考えねばなりません。
また、各人の経験についても考慮が必要と思います。
新人の頃は、さまざまな注意を怠らず作業にあたっていますが、船内生活に慣れ安全に関する注意が薄れた頃に、事故が発生しやすいことにも注意しなければなりません。
これらの予防について考えてみると、第一に、安全に対する教育ではないかと思います。
船内事故の多くは、不安全な状態に不完全な行為が重なったときに発生します。
これを取り除くために重要なのが教育です。
現場の危険に対する安全知識、技能及び態度は常に操り返し教育しなければ、無意識のうちに無視されがちであることを十分認識しておく必要があります。
この教育により、船内にはどのような箇所にどのような危険が存在するのかを常に認識しておけば、ある程度の事故は防げると思います。
第二に作業に対する基準や手順を策定することではないかと思います。
これには事前の打ち合わせ、作業箇所の下見、作業環境の整理整頓を考え、また日頃から船内各所の状況をよく把握しておくことも必要と思われます。
また船内設備に対する調査も必要で、危険な箇所への安全対策の施行が必要と思われます。
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